ムナフヒタキ(胸斑鶲、学名:Muscicapa striata)とは、スズメ目ヒタキ科に分類される鳥類の一種である。
形態
体長は13-15cmで、エゾビタキに比べ一回り大きい。体重は12-20g。
嘴、脚は黒色。 体上面は灰褐色で、喉から体下面は汚白色である。 頭頂から後頭、胸などに褐色の縦班の模様があり、目下などにも不明瞭な縦班がある。雨覆と三列風切は、ともに黒褐色で縁は白色である。それ以外の風切羽、尾羽は褐色である。
分布
西はヨーロッパ、東はバイカル湖の周辺の地域で繁殖し、アフリカの中南部などで越冬する。
日本では、2004年に石川県の舳倉島で、1羽が観察された記録が一例ある。
亜種
- Muscicapa striata striata(Pallas, 1764)基亜種。主にカザフスタン北部、シベリア西部から東ヨーロッパ、アフリカ北西部、東部に分布する。
- Muscicapa striata inexpectata(Dementiev, 1932)クリミア半島やアフリカに分布する。
- Muscicapa striata neumanni(Poche,1904)アフリカ南東部と、エーゲ海から東にレバント、コーカサスからシベリアなどに分布する。
- Muscicapa striata sarudnyi(Snigirewski,1928)主にアフリカ南東部、イラン東部からパキスタン北西部、天山山脈にかけてなどに分布する。
- Muscicapa striata mongola(Portenko, 1955)アフリカ南東部、アルタイ北東から、東にザバイカリエ地方北東部、モンゴル北部などに分布する。
- Muscicapa striata balearica(Von Jordans, 1913)バレアレス海、アフリカ南-南西部に分布している。この亜種は、ムナフヒタキとは別種の可能性もある。
- Muscicapa striata tyrrhenica(Schiebel, 1910)コルシカ島からサルデーニャ島、アフリカに分布している。この亜種も、M. s. balearicaと同じく別種の可能性もある。
生態
世代の長さは2.9年である。
森林、低木地、サバンナ、農耕地や都市部などに生息する。
空中を飛ぶハエ、ハチやアリなどを主に食べるが、無脊椎動物や果実なども食べる。
ヨーロッパでの繁殖期は、5月の中旬から8月中旬である。巣は小枝、落ち葉、コケ、地衣類、羽毛などで作られる。 一度に2個から7個の卵を産む。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 永井真人 『鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670』(第2版)2016年 文一総合出版、ISBN 978-4-8299-7201-4
関連項目
ヒタキ科
外部リンク
- Muscicapa striata(Spotted Flycatcher)




