クビワミフウズラ(首輪三斑鶉、Pedionomus torquatus)は、鳥綱チドリ目クビワミフウズラ科クビワミフウズラ属に分類される鳥類。本種のみでクビワミフウズラ科クビワミフウズラ属を構成する。
分布
オーストラリア (クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州東部)固有種
形態
全長15-19センチメートル。オスよりもメスの方がやや大型になる。体形は太い。尾羽は非常に短い。上面の羽衣は褐色で、黒や淡褐色の斑紋が入る。下面の羽衣は白く、胸部から体側面にかけて黒い斑紋が入る。翼は短く丸みを帯びる。
虹彩は白い。嘴はやや細長い。後肢や第2-4趾はやや長く、第1趾は短い。嘴や後肢は淡黄色。
頚動脈が対になり総頚動脈を形成する。
卵は洋ナシ型。殻は黄色や灰白色、淡緑色で、灰色や暗褐色の斑紋が入る。メスの成鳥は喉の羽衣が黒く白い斑紋が入り、和名や英名(collared=首輪のある)の由来になっている。胸部に赤褐色の斑紋が入る。
分類
ミフウズラ科に類似し近縁と考えられていた。一方でヒバリチドリ科に近縁とする説もあり、分子系統学的解析ではヒバリチドリ科と単系統群を形成するという解析結果が得られている。
Baker et al. (2007)より。
Gadow (1893) により、ツル目にミフウズラ科と共に含められた。Wetmore (1960) では、それら2科はツル目ミフウズラ亜目Turnicesとしてまとめられた。
シブリー・アールキスト鳥類分類では、チドリ下目Charadriides(チドリ目にあたる)シギ小目Scolopacida(シギ亜目にあたる)に移された。
チドリ目内で本科のみでクビワミフウズラ亜目Pedionomaeを構成する説もあった。
生態
乾燥した草原に生息する。単独もしくはペアで生活する。渡りは行わないが、季節や天候により長距離を移動する事もあり英名(wanderer=放浪者)の由来になっている。爪先で立ち上がったり頸部を伸ばして周囲を警戒する。危険を感じると走って逃げるか、茂みの中に身を隠す。
食性は雑食で、昆虫、種子などを食べる。
繁殖形態は卵生。地面の窪みに草を敷いた巣に、1回に2-5個(平均4個)の卵を産む。主にオスが抱卵し、抱卵期間は約23日。育雛も主にオスが行う。
人間との関係
開発による生息地の破壊、狩猟、人為的に移入された動物(アカギツネ、イヌ、ネコなど)による捕食、植物による食性の変化などにより生息数は減少している。
参考文献
関連項目
- チドリ目
外部リンク



